山形の日本酒おすすめ5選|地元パパが選ぶ東北の銘酒

山形は、日本酒王国だ。

県内に50以上の酒蔵があり、「出羽燦々」「雪女神」といった独自の酒米を開発し、都道府県単位で初めてGI(地理的表示)の認定を受けた。日本酒への本気度が、他の県とは違う。

でも、「山形の日本酒」と聞いて、十四代以外にパッと名前が出てくるだろうか。

僕は山形県天童市に住んでいる。出羽桜酒造の蔵が車で数分の距離にあるし、酒蔵見学にも行った。地元の酒屋で一升瓶を買って帰るのが日常だ。

この記事では、そんな僕が晩酌で実際に飲んでいる山形の日本酒を5本紹介する。テイスティングノートではない。「どんな夜に、どんな気分で開けるか」という話だ。

日本酒の基本が不安な人は、先に「日本酒の選び方入門」を読んでおくとこの記事がもっと楽しめる。

目次

山形の日本酒が旨い3つの理由

「なんで山形?」と思う人のために、山形の日本酒がうまい理由を3つだけ。

理由1:山形オリジナルの酒米がある

山形は酒造好適米の開発に力を入れている県だ。

代表格は「出羽燦々」。すっきりとした味に仕上がる山形を代表する酒米で、多くの蔵がこの米で酒を醸している。2016年に登場した「雪女神」は大吟醸向けの最高級品種で、やわらかく上品な酒を生む。

良い米があるから、良い酒ができる。シンプルだけど、これが一番大きい。

理由2:蔵王・月山系の軟水

日本酒の約80%は水でできている。

山形の仕込み水は蔵王連峰や月山の伏流水で、軟水が多い。だから、まろやかでやさしい口当たりの酒になりやすい。同じ山形でも内陸と庄内で水の質が異なるから、蔵ごとの個性が生まれる。

理由3:都道府県単位初のGI(地理的表示)認定

2016年12月、「山形」は清酒として都道府県単位で初めてGI(地理的表示)に指定された。

GIとは、ワインの「ボルドー」「シャンパン」と同じ仕組みだ。外部の専門家を含む審査会で品質基準を満たした酒だけが「GI山形」マークを表示できる。

つまり「山形の日本酒」という名前そのものが品質保証されている。これは他の県にない強さだ。

地元パパが選ぶ山形の日本酒おすすめ5選

ここからは、天童市に住む僕が晩酌で実際に飲んでいる5本を紹介する。

味の難しい分析はしない。「どんな日に飲むか」「誰と飲むか」——そういう話をしたい。

1. 出羽桜 桜花吟醸酒(天童市・出羽桜酒造)

僕の晩酌の「いつもの1本」。

1980年に発売された桜花吟醸は、市販の吟醸酒のパイオニアとして吟醸ブームを切り開いた歴史ある1本だ。華やかな果実の香りとスッキリした飲み口で、食事の邪魔をしないバランスの良さがある。英国王室御用達のワイン商BB&R社が初めて扱った日本酒としても知られている。

出羽桜酒造は自宅から車で数分。酒蔵見学にも行ったことがある。地元の蔵だからこそ、一番多く手が伸びる。

仕事終わり、だしを冷奴にかけて桜花を注ぐ。これが僕にとっての山形の日常だ。

合うおつまみ:だし(山形の郷土料理)、焼き鳥、枝豆

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2. くどき上手(鶴岡市・亀の井酒造)

妻と一緒に飲むなら、この1本。

明治8年創業、庄内・羽黒の亀の井酒造が醸す「くどき上手」。小川酵母(10号系酵母)由来のフルーティーな香りと、磨き上げた米の綺麗な甘みが特徴だ。華やかで飲みやすいから、日本酒があまり得意でない人にも入りやすい。

うちの妻は普段あまり日本酒を飲まないけれど、フルーティーなタイプは「あ、これ好き」と手を伸ばしてくれる。くどき上手を買って帰ると反応がいい。夫婦で同じ酒を飲める夜は、地味だけど幸せだ。

日本酒入門の記事」でも名前を出した銘柄だけど、改めて推しておきたい。

合うおつまみ:チーズ、生ハム、カルパッチョなどの洋風おつまみ

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3. 山法師 純米吟醸(東根市・六歌仙)

純米酒が飲みたい日に手が伸びる1本。

東根市の酒蔵・六歌仙が、黒伏山の湧水で仕込む山法師。原料米は山形県産「出羽燦々」100%、精米歩合60%。林檎や白桃のような果実香と、控えめな甘みからスッと切れる後口が心地いい。

酒蔵見学で試飲して以来、すっかりファンになった。地元の酒屋に行くと山法師の棚でつい足が止まる。気づけば2本3本と買っていて、帰り道にちょっと後悔するのがお決まりだ。

合うおつまみ:芋煮(山形の秋の風物詩)、だだちゃ豆、焼き魚

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4. 朝日鷹 特撰本醸造(村山市・高木酒造)

日本酒好きなら誰もが知る「十四代」。その十四代を醸す高木酒造が造る、地元限定の銘柄が朝日鷹だ。

創業1615年、400年以上の歴史を持つ老舗蔵。朝日鷹は穏やかな香りにすっきりした口当たりで、十四代のような華やかさはない。でも、晩酌として毎晩飲むにはこのくらいのバランスがちょうどいい。一升瓶で2,000円台。十四代の蔵が本気で造った日常酒だ。

十四代は、社会人になって初めて居酒屋で注文した時の記憶が強い。メニューの中で明らかに値段が違っていて、ドキドキしながら頼んだ。あの憧れの蔵の酒が、地元なら日常の価格で飲める。山形に住んでいてよかったと素直に思う。

たまに行く居酒屋のマスターが「取っておいたよ」とこっそり出してくれることがある。その店の隣に酒屋があって、一升瓶で買えてしまうのも最高だ。

入手について:朝日鷹は山形の地元酒屋でしかほぼ流通していない。6月〜11月に低温貯蔵酒が出回る。ネット通販ではプレミア価格になっていることが多いので注意してほしい。

合うおつまみ:玉こんにゃく(からし付き)、冷奴、焼き鳥

5. 出羽桜 一路 純米大吟醸(天童市・出羽桜酒造)

特別な日に開ける、とっておきの1本。

山田錦を45%まで磨いた純米大吟醸。洗練された旨味とキレの良さ、フルーティーな香りとスムーズな飲み口。日本酒を飲み慣れていない人でも「美味しい」とストレートに伝わる酒だ。

一路を初めて飲んだきっかけは、あるニュースだった。2008年、ロンドンで開催された世界最大級のワイン品評会IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)。SAKE部門に出品された313銘柄の頂点——最高賞「チャンピオン・サケ」に一路が選ばれたのだ。

授賞式で「Dewazakura Ichiro」と呼び上げられたその瞬間のニュースは、今でも覚えている。世界に誇れる日本酒が、自分の住む山形にある。あの時感じた誇らしさが、一路を手に取る理由の根っこにある。

出羽桜酒造はその後も2016年に「出羽の里」で2度目のチャンピオン・サケを受賞し、同年「SAKE BREWER OF THE DECADE」(10年間の最優秀蔵)にも選ばれている。地元天童にこの蔵があることが、僕の密かな自慢だ。

5銘柄中、出羽桜が2本入っている。でもそれが僕のリアルだ。地元の蔵だから、日常の桜花にも特別な日の一路にも、自然と手が伸びる。

合うおつまみ:刺身(特に白身魚)、だし巻き卵、上品な和食

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山形の日本酒×山形のおつまみ|最強ペアリング

山形の酒には、山形のつまみが合う。当たり前のことだけど、これが本当にうまい。

芋煮×純米酒

山形の秋の風物詩、芋煮。牛肉と里芋を醤油ベースで煮込む鍋料理で、純米酒との相性は鉄板だ。

社会人になって出会った飲み好きの仲間と、河川敷で芋煮をやった時のこと。「一人1本、好きなお酒を持ち寄りで」と決めたら、全員が日本酒の一升瓶を抱えてきた。

「こんなに飲めないよ」と笑いながら、芋煮を囲んで飲んだ夜は最高だった。

その友人が結婚した時は、披露宴で日本酒の飲み比べが催された。並んだ酒の中に十四代があって、みんなで「おお」と声が上がった。山形では、日本酒が人と人をつなぐ。

だし(山形のだし)×冷酒

きゅうり、なす、みょうが、大葉を細かく刻んで味付けした山形の郷土料理「だし」。冷奴の上にたっぷりかけて、冷やした桜花を合わせる。夏の晩酌に、これ以上のぜいたくはない。

火を使わないから、面倒くさがりのパパにも助かる。おつまみのレパートリーを増やしたい人は「10分以内の時短おつまみ10選」もどうぞ。

玉こんにゃく×辛口

醤油で煮た玉こんにゃくは、山形のソウルフードだ。祭りでも観光地でも、必ず売っている。

からしをちょんとつけて、辛口の日本酒で流し込む。これが永遠に飲めてしまう組み合わせで困る。家で作るなら、こんにゃくと醤油とだし汁を鍋に入れて煮るだけ。パパでもまず失敗しない。

山形の日本酒を手に入れる方法

「飲みたくなったけど、どこで買える?」という人のために、入手方法を3つ紹介する。

ふるさと納税で実質2,000円

山形の自治体は日本酒の返礼品が充実している。桜花も、くどき上手も、山法師もふるさと納税で手に入る。実質2,000円で山形の銘酒が届くなら、やらない理由がない。

▶ 詳しくは「ふるさと納税で届く日本酒おすすめTOP10」を参照。

楽天・Amazonでお取り寄せ

桜花・くどき上手・山法師・一路は楽天やAmazonでも購入できる。地元の酒屋ほど安くはないが、全国どこからでも注文可能だ。

ただし朝日鷹だけは、ネットだとプレミア価格になりがちだ。定価の倍以上で出品されていることもある。無理にネットで探すより、山形に来た時に地元の酒屋を覗いてほしい。

山形に来たら酒蔵見学もおすすめ

出羽桜酒造や六歌仙は見学を受け付けている。蔵の空気を感じながら試飲する体験は、ネットで買うのとはまるで違う。子連れでも行ける蔵があるので、家族旅行のプランに組み込むのもアリだ。

▶ 「子連れで楽しめる東北の酒蔵・ワイナリー見学おすすめ6選」で詳しく紹介している。

まとめ

山形の日本酒は、旨い米と旨い水と蔵の技術が揃った銘酒ばかりだ。

十四代だけが山形じゃない。天童に住み、地元の酒屋に通い、晩酌で飲み続けてきた5本を紹介した。

  • 毎日の晩酌に:出羽桜 桜花吟醸
  • 妻と一緒に:くどき上手
  • 純米酒の気分で:山法師 純米吟醸
  • 地元の宝物:朝日鷹 特撰本醸造
  • 特別な日に:出羽桜 一路 純米大吟醸

お取り寄せやふるさと納税を使えば、全国どこにいても山形の味は楽しめる。気になった1本があれば、ぜひ試してみてほしい。

日本酒の選び方に自信がない人は「日本酒の選び方入門」も合わせてどうぞ。晩酌の時間をもっと充実させたいなら「寝かしつけ後の晩酌を最高にする5つのコツ」もおすすめだ。

よなよなパパでした。

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